D2Cビジネスで「こだわり」を形に!D2Cの特徴を解説

助手
助手
ECセラーLABOでしか読めない「トップECセラーの限定コラム」。
今回は、ECモール研究家たつみんさんにお越しいただきました!

よろしくお願いします。
たつみん
たつみん

たつみんさんってこんな人
・物販歴7年(個人2年・法人5年)
・ECモール研究家
・D2C事業のスペシャリスト

博士
博士
今日はどんなことを教えていただけるのかな?
自分の名刺代わりにもなるD2C事業について、その特徴から始め方まで詳しく解説させていただきたいと思います。
たつみん
たつみん
助手
助手
D2C...なんだか難しそうで心配です。
安心してください。
D2Cの事を全く知らない人向けに、再現性の高い内容を解説します。
きっと、好きなことを仕事にできる可能性を感じていただけますよ。
たつみん
たつみん
助手
助手
好きな事を仕事にできるって素敵ですね!ワクワクしてきました!

博士
博士
ただ、D2Cの説明は簡単ではないと思うので前後編に分けて詳しく解説していただけると嬉しいのう。

では、前編はぼくの経歴とD2Cの特徴を。
後編では実際のD2Cの始め方を具体的に解説させていただきます。
たつみん
たつみん

助手
助手
よろしくお願いします。

物販、D2C事業、そして未来への展望

博士
博士
まずは、たつみんさんの経歴から聞いていこうかの。

助手
助手
物販を始める前はどんなことをされていたんですか?

父の経営する医療・介護系の会社で事業承継を進めていました。
たつみん
たつみん

ただ数年仕事をしてみて、この業界は自分には合わないと感じました。
そこで、円満退職の大義名分を得るために自分の事業を作る決意をしたんです。

博士
博士
そこから物販事業を始めるに至ったというわけじゃな。

はい。カナダ留学の経験が大きく影響していたと記憶しています。
たつみん
たつみん

カナダに留学したとき、日本と海外の間で「商品の価格に差があること」がわかったんです。そこから日本と海外の価格差を利用した、欧米輸入転売をやってみようという考えに繋がっていきました。

その後、大学在学中に仲間5人で美容系せっけんのネット販売をする会社を開始したんです。しかし、この事業はすぐに失敗してしまいました。この口惜しさは長い期間ずっと残っていました。

博士
博士
開始当初から大変な苦労をされてきたのですな。

助手
助手
物販で取り組まれた手法は、欧米輸入転売以外にもありますか?

はい。いろいろな手法に取り組みました。
たつみん
たつみん

欧米輸入転売 欧米Amazonで仕入れ→日本Amazonで販売
中国輸入転売 アリババ・タオバオで仕入れ→日本Amazonで販売
メーカー・卸し仕入れ 国内外の業者から仕入れ→日本で各種ECモール販売
卸業者小売店への卸販売 自社商品を卸業者や小売店に販売

博士
博士
輸入から卸まで多岐に渡る手法に取り組まれたのじゃな。
いろいろな経験をされる中で、辛いこともたくさんあったことじゃろう。

辛い経験はたくさんあります。
たつみん
たつみん

転売ビジネスは副業で行っていたので、日常生活にゆとりがありませんでした。
毎日休みなく限界まで働いていて、このまま続けていたら身体も精神も壊れかねないと感じていました。

また、オフィス家具D2Cの失敗が苦い経験として残っています。
たつみん
たつみん

運よく初動を作ることができ、在庫は完売し再生産を行っていた矢先に商品の致命的欠陥が見つかったんです。
そこからは1年がかりで問題の対処にあたり、事業に大きなダメージを残しました。

他にも、時間をかけて育てた従業員が他の会社に次々と引き抜かれていった時期がありました。
そのループから抜け出せなかった期間が、精神的に一番辛かったですね。
たつみん
たつみん

社員を育てるためには外部の教育を受けさせたい。
しかし、外部に出たら引き抜かれるというジレンマに苦み続けました。

助手
助手
大変な思いをたくさんされてきたんですね。

博士
博士
それでも物販を続けてこられたということは、良い経験もあったのですな?

もちろんです。良かったことも、辛かったこと以上にたくさんありました。
たつみん
たつみん

一番は、心強い仲間ができたこと。
大変なときも同じ志の仲間と励まし合ってきたから、ここまでやってこれたと痛感しています。
SNS上のやり取りから仕事に繋がることがあったり。
一緒に事業を行うパートナーができたり。
多くの人と繋がることができたのは、物販をやってきたおかげだと強く思います。

博士
博士
そんな物販でのたくさんの経験が、D2C事業に繋がっていくわけじゃな。

おっしゃる通りです。
物販を運営する中で「自分で商品を企画し販売する」という一連の流れを習得したいと感じるようになりました。
たつみん
たつみん

それがD2C事業の開始に繋がっていきます。

中でも、ストック型のビジネスモデルを想定しました。
ビジネスを拡大させるなら資産として蓄積され、時間経過と共に自由な時間が増えていく形が理想的だと考えました。

助手
助手
D2Cへ繋がっていく、学びの多い経験談をありがとうございました。

博士
博士
これまでのご経歴はよくわかりました。
では、今後の展望をお聞かせいただけますかな。

目指すゴールは、地元の静岡を元気にするというところにあります。
たつみん
たつみん

博士
博士
それは素晴らしい志ですな!
具体的にはどのようなことをしていくおつもりですかな。

これまでは物販を行ってきましたが、コンサルタントとして支援業にシフトしていく予定です。
たつみん
たつみん

また、これまでの事業の経験を活かして地元静岡に貢献できる事業に携わっていきたいと考えています。

例えば、民泊や観光などの分野ですね。

助手
助手
物販からD2C、そして民泊や観光!
活動の幅が広くてすごいです!

博士
博士
全ては、これまでの多数のご経験があるからこそですな。

D2Cとは?

博士
博士
では、D2Cについて聞いていこうかの。

助手
助手
D2Cって何かの略称ですか?

D2Cとは

D2Cとは「Direct to Consumer」の略称です。
事業者が、Consumer(消費者)にDirect(直接)商品やサービスを販売する方式を指します。
たつみん
たつみん

「仲介を通さず自社商品を販売するビジネスモデル」ということですね。

ただ、D2Cの解釈も様々なので「一般的にはこんなイメージで認知されている」程度の理解で十分です。

  • 自社商品をAmazonなどのECモールで販売すること
  • 競合他社と同じような商材を自社ECサイトで販売すること

これらは両方ともD2Cと呼ばれています。

博士
博士
一般的なD2Cの解釈は曖昧なのじゃな。

そうですね。これまで物販をされてきた方にとってのD2Cは、
たつみん
たつみん

中国、もしくは日本国内で商品をOEM/ODM生産
→ECモールや自社ECサイトで販売

という流れがしっくりくるのではないでしょうか。

D2Cと従来の小売との違い

助手
助手
D2Cと従来の小売との違いは何ですか?

従来の小売ビジネスは、通常は製造者(メーカー)や卸売業者から商品を仕入れて販売します。
たつみん
たつみん

対面販売やオンラインストアを通じて、様々なブランドの商品を取り扱うのが特徴ですね。

かたや、D2Cビジネスは「製造者(メーカー)」が直接消費者に販売するビジネスモデルです。


中間業者を介さず、自社のウェブサイトなどから商品を提供します。
製造者(メーカー)が直接顧客と関係を築けるので、顧客データを収集しやすいという特徴があります。

D2Cのメリット

助手
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では、D2Cのメリットはどんな所ですか?

D2Cのメリットは大きく3つあります。
たつみん
たつみん

  1. 収益性を高めやすい
  2. チームのモチベーションを高めやすい
  3. 事業譲渡がしやすい

1つずつ解説していきます。

収益性を高めやすい

自社商品のため原価を低く抑える事ができ、販売価格もコントロールできます。
たつみん
たつみん

収益の計算方法を最もシンプルに表すと、

「販売価格」-「商品原価」-「諸経費」=「収益」

ですので、「販売価格」と「商品原価」をコントロールできるD2Cは収益を高めやすいということです。

ECモールに比べて自社ECサイトでは手数料を抑えられることも、収益性を高める要因です。
ECモールのような集客力はありませんが、費用対効果の良い広告を打つことができれば収益性は担保できます。

また、D2C事業はリピート顧客を増やすことが前提のビジネスモデルです。
よって、新規顧客の獲得に腐心しなくてもリピート購入による収益性が年々上がり続けるのも大きなメリットです。

博士
博士
収益性が高く、リピート購入による持続性も高いとは素晴らしい。
これはD2C最大のメリットと言えますの。

チームのモチベーションを高めやすい

社長やチームメンバーのやりたいことを商品として具現化するのがD2Cの特徴です。
そのため自然と組織のモチベーションは高くなります。
たつみん
たつみん

助手
助手
好きなことをやっている時が、一番モチベーション高いですもんね!

そうですよね!
自社商品の販売において「熱」というのは重要な要素です。
たつみん
たつみん

商品ページ作りやパッケージなど細部に至るまで、お客様には商品へのこだわりが伝わります。
これが良い方向に働けば、リピート客に繋がることになります。

博士
博士
確かに!
お客様は「スタッフがこれほど好きな商品ならまた買ってみよう」となるわけじゃな。

また、やる気の高いメンバーをまとめるのは比較的容易です。
よって、マネジメント的な観点からもメリットがあります。
たつみん
たつみん

助手
助手
やる気の低いメンバーをまとめるのは、それだけでも大変な労力になりそうですもんね!

事業譲渡がしやすい

事業のゴールを考えるうえで、事業を他社に譲渡するという方法があります。
たつみん
たつみん

ただ事業をやめてしまうだけでは、あとに何も残りません。
しかし、他社が事業を買い取り引き継いでくれるのであれば、気持ち的にも金銭的にもメリットがあります。

D2Cは従来の小売と比較して再現性が高く、事業譲渡案件における譲受希望者に好まれる傾向にあります。
そのため、収益をあげている事業であれば買い手希望者はすぐに集まり譲渡が容易なんです。

博士
博士
自分が事業を辞めた後も、別の人が引き継いで未来に繋がっていくのは嬉しいのう。

助手
助手
譲渡できるような価値のある事業!私も目指します!

 

D2Cのデメリット

助手
助手
D2Cにはメリットがたくさんあるんですね!早くやってたいです!

反面、D2Cならではのデメリットもいくつかあります。
たつみん
たつみん

博士
博士
うむ。デメリットもしっかり把握しておかんとな。

在庫を大量に持つことになる

最大のデメリットはキャッシュフローが悪くなることです。
たつみん
たつみん

自社商品を作るということはそれだけロットを積むということです。
結果大量の在庫を抱えることになります。

物販においては、生産して即売れるのが理想。
しかしそれは初期段階では難しいでしょう。
十分な資金を用意しておかないと、資金ショートを起こす可能性が高いので注意が必要です。

助手
助手
何か対策はありますか?

ぼくは資金ショート対策として、クラウドファンディングを利用していました。
たつみん
たつみん

事業初心者が借金をして、スタートから大きなリスクを負うことはおすすめしません。
基本的にスモールスタートを切ることが理想でしょう。

また、クラウドファンディングは資金調達だけでなく、プロジェクトに対する市場の反応を試す手段としても機能します。
資金を集める過程で消費者の関心や需要を把握でき、事業計画の調整やマーケティング戦略の改善に役立ちます。

博士
博士
クラウドファンディングなら資金面でのフォローもしつつ、市場調査もできてしまうわけじゃな。

やることが多い

D2Cでは、とにかくやることが山のようにあります。
たつみん
たつみん

  • 商品の企画
  • 開発
  • 在庫管理
  • マーケティング
  • etc

小規模で細々とやるなら、1人でも可能かもしれません。
しかし規模拡大を目指すならチームが必要になります。

またスタッフを雇用した場合、教育に時間がかかります。
ここは、ぼくも苦労した点なので十分に注意しておいてください。

その反面、D2C事業は一度に様々な領域を学習することができます。
一連の流れをこなした後は別人くらい能力値が高まっているという嬉しい点があります。
たつみん
たつみん

助手
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大変な分、見返りも大きいのがD2Cなんですね!

D2Cに向いている人、向いている商品

助手
助手
D2Cのメリットとデメリットはよく理解できました!
私にもD2Cはできますか?

D2Cに向いている人、向いている商品があります。
それぞれ解説しますね。
たつみん
たつみん

D2Cに向いている人

D2Cに向いている人は2種類いると考えています。
たつみん
たつみん

商品に情熱を込められる、こだわりが強い人

D2Cの特性上お客様との接点が多いので、商品に込められた情熱が伝わりやすいんです。
こだわりが強い人であれば、その強い気持ちが電波してファンを作りやすくなります。

ビジネスを冷徹に徹底できる人

やることが多岐に渡るD2C事業では、以下のようなことが求められます。

  • 目標設定
  • スケジュールを設定
  • 確実にタスクをこなす要領の良さ

その点、ビジネスに関してある種冷めた目で客観的に見れる人には有利に働きます。

また、ビジネスの成功に関心が強い反面、ブランドに興味が薄い人もいます。
たつみん
たつみん

その場合は、こだわりが強い人をパートナーにして弱点を補い合うというのが理想的ですね。

博士
博士
一人で全て背負い込むのではなく、得意を活かせる仲間を集めることが大切なのじゃな。

D2Cに向いている商品

助手
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D2Cに向いている商品ってどんなものですか?

実は、あらゆる商材がD2Cに向いており、向いていないカテゴリを探す方が難しかったりします。
たつみん
たつみん

向いていない商品を強いてあげるとしたら、

  • 高度な技術が求めらえる電子機械系
  • 開発に時間がかかる医薬品系
  • 1点ものの商品
  • 薄利多売のコモディティ商品
  • 日本と中国で生産が難しいもの(OEMノウハウがこの2国では確立しているため)

この辺りでしょうか。

高度な技術が求めらえる電子機械系

高度な技術を持つ電子機械製品は、使用者に対して専門的な知識やサポートが必要とされることが多いです。
たつみん
たつみん

消費者直販モデルでは、製品の正しい使用方法やトラブルシューティングを消費者自身で理解し対処するのが難しい場合が多いです。
そのため中間販売業者や専門のサービス提供者を通じた販売が適している場合が多いです。

他にも、

  • 配送や保守が複雑になる傾向がある
  • 高度な技術製品の開発と製造は、大規模な初期投資を必要とする場合が多い

これらの理由から、高度な技術を要する電子機械系の商材は、直接消費者に販売するD2Cではおすすめできません。
専門の販売代理店や卸売業者を通じて販売する方が適切であることが多いですね。

助手
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確かに、専門性の高い高度な商品を扱う自信はありません。

開発に時間がかかる医薬品系

医薬品の開発には長い時間がかかります。
臨床試験を含む複数段階のテストを経て、効果と安全性を確認する必要があるためですね。
たつみん
たつみん

さらに、製品が市場に出る前には、各国の厚生労働省や食品医薬品局(FDA)などの規制機関による厳しい承認プロセスをクリアする必要があります。

D2Cモデルは比較的迅速な市場投入とフィードバックの取り込みが求められますが、医薬品の場合スピード感を持って市場に対応することが困難です。

博士
博士
スピード感を持って事業を進めていくことが困難な商材なのじゃな。

1点ものの商品

1点ものの商品はその性質上、大量生産が不可能で、同じ商品を繰り返し販売することができません。
たつみん
たつみん

  • 製品を大量に生産する
  • 直接消費者へ効率的に販売する

以上のような方法でコストを削減し、収益を最大化するD2Cとは相性が悪いと言えます。

また、同じ製品を大量に保持するのではなく、異なる1点ものの商品を扱うことにより、在庫管理や物流が複雑になります。
各製品の保管や配送に特別な注意が必要になるため、効率的な運営が難しくなります。

助手
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1点ものの商品は、D2Cの特性と合わない部分が多いんですね。

薄利多売のコモディティ商品

D2Cモデルは製品を直接消費者に販売するため、中間コスト(例えば卸売業者や小売業者を通じた販売に関わる費用)を削減できます。
しかし、薄利多売の商品は一つ一つの販売から得られる利益が非常に低いため、これらの削減されたコストが大きな利益に繋がることは少ないです。
たつみん
たつみん

D2Cはブランドが直接顧客との関係を構築する必要があるため、マーケティングや顧客サービスに投資が必要になります。
薄利多売の商品では、これらの前提投資を補うだけの利益を上げることが難しいです。

これらの理由から、薄利多売のコモディティ商品はD2C事業モデルには不向きであると言えます。

博士
博士
なるほどの。確かに上記のような商材はD2Cでは避けるべきじゃな。

より高い付加価値を提供できる製品や、ブランドストーリーや独自性が強調される商品がD2Cモデルで成功しやすい傾向にあります。
たつみん
たつみん

これは僕の印象ですが「儲かりやすい」という観点で商材を選定する例は少ないですね。

「どれだけ思いを込められるか」で商品を決める人が大多数なイメージです。

助手
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強い思い入れのある商品を扱うよう心がけます!

D2C事業の流れ

助手
助手
D2Cの理解が深まった所で、早速チャレンジしてみたいです!
まずは何から始めたら良いですか?

D2C事業の流れは、ざっくり3段階です。
たつみん
たつみん

  1. 商材を決める
  2. ショップを立ち上げる
  3. 集客する

まずは何を販売するのか、商材(ブランド)を決めます。
そして、商品を実際に販売するためのショップを立ち上げます。
最後にショップにお客様を集める、集客を行う。

これが全体の流れになります。
この辺りは簡単には説明できないので、次回の後編で詳しく具体的に解説していきますね。
たつみん
たつみん

助手
助手
楽しみです!

まとめ

博士
博士
たつみんさん、D2Cの詳しい解説ありがとうございました。

助手
助手
D2Cがどんなものか、しっかり把握できました!

よかったです。
では、今回の前提知識を踏まえた上で、D2C事業を実際に立ち上げていく方法を次回は解説していきますね。
たつみん
たつみん

D2C事業には向いている人、向いている商品、メリットデメリットが明確にあります。

ご自身のスタイルや得意と照らし合わせてみてから、D2Cの開始を検討しましょう。

 

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たつみん
たつみん

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