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【一日密着】年商40億社長ギリワンさんに聞く、資金調達から多角化経営まで

物販だけで年商40億円を叩き出す「資金調達の達人」ギリワン社長

個人レベルの「せどり」からスタートし、今や年商40億円という桁外れの規模を誇る経営者、ギリワン氏。

「資金調達」を武器に、スーパーやジム運営など、次々と事業を拡大し続ける彼の手腕は、全ての物販プレイヤーにとって衝撃の連続です。

今回は、そんなギリワン氏の多忙な一日に密着。巨大倉庫からM&A交渉の現場まで、その裏側を余すところなくお届けします。

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目次

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    博士
    博士

    【AM 09:32 密着開始】年商40億のリアルを映す「分刻み」の現場

    午前9時32分。埼玉県某所。

    待ち合わせ場所に現れたのは、ラフな格好ながらも鋭い視線を持つ男性。彼こそが、今回の主役であるギリワン社長です。

    もりもとら
    もりもとら
    おはようございます! 今日は1日密着ということで、よろしくお願いします

    よろしくお願いします。今日は隠さず全部見せますよ
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    改めてなんですが、読者の方に向けて、簡単に自己紹介をお願いできますか?

    初めまして、ギリワンと申します。元々は僕も、個人で本やフィギュアの『中古せどり』からスタートしました。そこから『メーカー仕入れ』に事業転換して、銀行融資などの資金調達を学んで拡大していった……という経緯ですね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    ありがとうございます。そこから拡大を続けて、現在の会社の規模感はどれくらいになったんですか?

    現在は、うち単体で売上40億円営業利益で2億円くらいですね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    単体で40億! さらにM&Aした会社も含めると……?

    グループ全体だと年商50億円営業利益も3億円近くになりますね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    さ、3億円……!? 売上も凄いですけど、利益の桁が違いすぎて言葉が出ないです……

    右肩上がりで成長を続けるギリワン氏の事業。しかし、その裏側には、分刻みの過密なスケジュールがありました。

    もりもとら
    もりもとら
    今日はどんな1日になる予定なんですか?

    かなりバタバタしてますよ。ざっくり言うとこんな感じです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

     

    もりもとら
    もりもとら
    うわ、すごい……! っていうか、倉庫は分かりますけど、「スーパー」とか、「ネイルサロン」とか「ジム」って何ですか? 物販の会社ですよね?

    ふふふ、気になりますよね。その理由も今日一日回れば分かりますよ。
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    【AM 09:40 事務所潜入】物販の「弱点」を克服する「スーパー経営」

    挨拶もそこそこに、ふと後ろを見ると、そこには大きな看板の店舗が。

    実は、今日の待ち合わせ場所であるここ自体が、すでにギリワン氏の「城」でした。

    もりもとら
    もりもとら
    え、社長、この後ろのお店って何なんですか?

    これはうちが経営してるスーパーマーケットですね。事務所兼、店舗みたいな感じでやってます
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    えっ、普通にスーパーじゃないですか! これを経営してるんですか?

    そうです。ちょうど今から、ここで銀行さんとの商談と社内MTGの予定が入っているんですよ。せっかくなので、事務所の中で少し様子を見ていきますか?
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    ギリワン氏に案内され、スーパーの店舗脇にあるバックヤードへと足を踏み入れます。

    商品のダンボールが積まれた通路を抜けると、そこには予想外の光景が広がっていました。

    もりもとら
    もりもとら
    えっ、すごい……! スーパーの裏に、こんなにしっかりしたオフィスがあるんですね。完全に予想外でした


    活気あるスーパーの売り場とは対照的な、静かで整然とした事務所。 そこには、パリッとしたスーツ姿の金融機関の担当者が待っていました。

    息つく暇もなく、そのまま重要な融資の商談がスタートします。


    さっきまで和やかに話していたギリワン氏の表情が一変。 数億円規模のお金の話が飛び交う、真剣な交渉現場。

    ビジネスの最前線特有の「熱気」と「プロの顔」がそこにはありました。


    もりもとら
    もりもとら
    すごい……。これが年商40億の資金調達の現場か。


    商談が終わると、そのまま間髪入れずに社内スタッフとのミーティングへ移行。

    先ほどの銀行との交渉結果を踏まえ、直近の決算数値や資金の動きについて、冷静かつ的確な指示が飛び交います。


    まさに「分刻み」。経営者のリアルな仕事ぶりを目の当たりにした瞬間でした。

    スーパー経営をする本当の理由とは?

    一連の打ち合わせが一段落すると、ギリワン氏はふっと息を吐き、柔らかな表情に戻ってこちらに向き直りました。

    お待たせしました。ちょっとバタバタしちゃいましたね。よし、じゃあ店舗の方へ戻りましょうか
    ギリワンさん
    ギリワンさん


    事務所を出て、再び商品の並ぶスーパーの売り場へと移動します。

    先ほどの張り詰めた空気から一転、主婦や家族連れが買い物をする日常的な光景が広がります。

    ふと店内のモニターや様子を見渡したもりもとら氏。


    もりもとら
    もりもとら
    それにしても社長、事務所の雰囲気もそうですけど、ここ本当に『THE・スーパー』って感じですね。ネット物販の会社とは思えないです

    そう見えますよね。でも実は、このスーパーこそが、僕の事業の『最大の弱点』を消してくれる場所なんですよ
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    弱点を消す……? どういうことですか?

    ここを経営している最大の理由は、ネット物販で発生する『返品在庫の受け皿』にするためなんです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    あー! なるほど! ネット物販につきものの『返品』や『不良在庫』ですね

    そネットだと『箱潰れ』などは廃棄対象ですが、ここなら安く売って現金化できます。廃棄ロスを極限まで減らすための仕組みですね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど……! ここなら『訳あり品』として現金化できるわけですね。赤字を垂れ流さないための鉄壁の守りだ

    それともう一つ、銀行や取引先への『リアルな信用』を作るためでもあります
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    信用、ですか?

    ネット専業は実態が見えにくいですが、店舗と人があれば『事業の実態』が証明できます。これが銀行からの信用に直結するんです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    確かに! さっきの決算書の話もそうですが、この店舗があるからこそ、銀行との取引もスムーズにいくわけですね

    単に「手広くやっている」のではなく、返品リスクの回避」と「対外的な信用の獲得

    本業(ネット物販)をより盤石にするための計算された戦略が、このスーパーには詰まっていました。

    【AM 10:34 車内トーク】借入17億を「最強の武器」に変える資金調達力

    スーパーの視察を終え、次なる目的地である「本社倉庫」へ向かう車内。

    話題はギリワン氏の「資金戦略」の核心へと迫っていきます。

    もりもとら
    もりもとら
    移動中にちょっとお聞きしたいんですが……さっきの事務所での金融機関さんとの商談は、具体的にどんなお話をされてたんですか?

    ちょうど決算書が出来上がったばかりなんで、それを見せながら「今の格付けや「次の融資」について話してたんですよ
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    ※格付けとは・・・銀行が企業の決算書を見て「返済能力がどれくらいあるか」をランク付けしたもの。このランクによって、融資できる金額や金利が決定する。

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど。感触は良かったんですか?

    いや、実は今回、審査(格付け)が1つ落ちちゃったんですよ
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    えっ!? 年商40億もあるのに落ちるんですか!?

    理由はシンプルで「借入急増」です。「急激に借りすぎだ」って警戒されちゃったみたいで(笑)
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    「借りすぎ」って……。ちなみに今、借入総額ってどれくらいあるんですか?

    期末の時点で、だいたい17億4000万円くらいですね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    じゅ、17億……!? 想像以上の金額でした……。銀行は何行くらいとお付き合いがあるんですか?



    12行ほどですね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    12行から17億円も……! それだけ借りてると、逆に怖くなったりしませんか?

    最初は怖かったですよ。でも、僕らがここまで急激に伸びた一番の要因って、やっぱりその『資金調達』を止めなかったことなんですよ
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど……。17億という数字には驚きましたが、「急激な成長の秘訣」は、やっぱりそこなんですね

    そうです。結局、物販って『資金力』なんですよ。融資を受けて手元のキャッシュが増えれば、取引先も増やせるし、大量に仕入れることもできる。それが売上拡大に直結しました
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    確かに。資金があれば、戦い方の選択肢が一気に増えますもんね

    元金なしからの大勝負

    もりもとら
    もりもとら
    でも、最初は中古せどりからのスタートですよね?

    そうそう、最初は中古本とかをメインに売ってましたよ。だからうちの社名、『多聞(タモン)書店』っていうんですよ(笑)
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    あ、だから書店なんですね! その名残があるのが面白い(笑)

    転機はコロナの時期でしたね。メーカー卸をやりたいとはずっと思ってたんですけど、やるには最低でも現金で1,000万円くらい必要だったんです。でも当時はそんなお金なくて
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    卸はロット(購入単位)が大きいですからね……

    そこでコロナ融資がバーンと入ってきたんです。2,000万、3,000万と借りられた。「これだ!」と思って一気にメーカー卸に舵を切りました
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど……! 世の中が混乱して誰もが不安になるタイミングで、逆にアクセルを踏んで勝負に出たんですね。その胆力が今の規模を作ったのか……

    成功哲学「動きながら考えろ」

    チャンスが来た瞬間に、迷わずアクセルを踏む決断力。

    話を聞いていると、成功する人の思考回路が見えてきます。

    もりもとら
    もりもとら
    最後に、これから規模拡大を目指す人や、伸び悩んでいる人に向けて、何かアドバイスをいただけますか?

    ギリワン氏は少し考えた後、一言、こう断言しました。



    動きながら考えろ」ってとこじゃないでしょうか
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    シンプルですけど、一番刺さる言葉です

    動いていれば、何かしらのきっかけが転がってきます。それを見つけたら掴む。行動してから「何が足りないか」を考えて勉強すればいいんです。
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    確かに……。僕も含めて、みんな失敗しないように考えすぎちゃうんですよね。まずは動く。肝に銘じます!

    【AM 11:15 倉庫潜入】一拠点で25億を生む巨大倉庫の「攻めと守り」

    そんな熱い話をしている間に、車は巨大な物流倉庫の前で停車しました。

    ここが年商40億の物販事業を支える心臓部です。


    もりもとら
    もりもとら
    うわあ……でかい! 天井まで在庫がびっしりですね。中を案内していただいてもいいですか?

    いいですよ、行きましょう。ちなみに、この倉庫だけで年商25億円くらいの売上を作ってますね
    ギリワンさん
    ギリワンさん



    もりもとら
    もりもとら
    ここだけで25億……! 規模感がバグりそうです(笑)

    利益商品と回転商品。毎日1000件出荷の舞台裏

    もりもとら
    もりもとら
    扱っている商品は、どういうジャンルが多いんですか?

    ほとんど食品ですね。特に飲料系が多いです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    飲料ですか。利益率はそこまで高くないイメージですが……

    いや、利益がしっかり取れる商品もありますよ。もちろん薄い商品もありますけど、そういうのはとにかく回転(売れるスピード)が早いんです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど。「利益重視の商品」と「回転重視の商品」をうまく組み合わせているわけですね

    そうです。これだけの量があるんで、出荷作業も毎日やらないと回らないですね。土日休むと月曜日がパンクしちゃうんで
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    どれくらいの量を出荷されているんですか?

    通常時でも1日1,000件以上は普通ですね。セール時になると2,000件、3,000件いくこともあります
    ギリワンさん
    ギリワンさん



    もりもとら
    もりもとら
    1日1,000件越えが普通……! それを毎日さばいている現場の方々、凄すぎます

    設備は「買う」な。「借りる」が正解

    倉庫内を見渡すと、大きなフォークリフトが忙しなく走り回り、パレットごとの荷物を運んでいます。

    もりもとら
    もりもとら
    これだけ広いと設備も凄いですけど、フォークリフトって何台くらいあるんですか?

    3台くらいありますかね
    ギリワンさん
    ギリワンさん



    もりもとら
    もりもとら
    3台も! あれって結構高いですよね? 全部買ったんですか?

    いや、あれは全部『リース』※ですよ。買わずに借りています
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    ※設備を現金購入せずに月額払いで長期間借りる仕組みのこと。

    もりもとら
    もりもとら
    えっ、現金で買ったほうが総額は安く済みませんか? なぜわざわざリースに?

    理由は2つあります。1つは『運転資金(キャッシュ)を減らさないため』。設備にお金を使っちゃうと、肝心の仕入れに使う現金が減っちゃいますから
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    あ! なるほど。設備投資にお金を使いすぎると、商品を仕入れるための体力が落ちちゃうってことですね

    その通りです。そしてもう1つが『銀行との付き合い』です。銀行系のリース会社を使うことで実績になり、本丸の融資取引もスムーズになるんです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど……! ただお金を借りるだけじゃなくて、リースを使って現金を徹底的に守りつつ、銀行との関係値も作る。これが40億企業の「攻めと守り」のバランスなんですね

    さて、じゃあ僕はこれから倉庫の責任者とミーティングがあるんで、少し抜けますね。ご自由に見ていてください
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    はい! 行ってらっしゃいませ


    そう言い残し、現場スタッフの元へ向かったギリワン氏。

    数十分後、ミーティングを終えて戻ってきました。


    もりもとら
    もりもとら
    おかえりなさい。責任者の方とはどんなお話を?

    直近の出荷数や内容の確認と、あとは現場の「暑さ対策」についてですね(※撮影時は8月)
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    えっ、暑さ対策まで社長が直接確認するんですか?

    当然ですよ。スタッフが倒れたりしたら大変ですから。何かあってからじゃ遅いんです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど……。規模が大きくなっても、そこで働く「人」の安全もしっかり見ているんですね

    こういう「現場の小さな異変」に目を光らせて、すぐに対応することが経営者にとってすごく大切なんです
    ギリワンさん
    ギリワンさん


    資金(キャッシュフロー)を回すための大胆な戦略と、現場の安全を守るための細やかな目配り。

    この両輪が噛み合っているからこそ、年商25億という巨大な物流拠点が滞りなく回り続けているのだと痛感させられる視察となりました。

    【PM 01:41 店舗へ移動】利益以上に積み上げたい「信用」という見えない資産

    巨大な倉庫を後にし、次なる目的地である実店舗(キックボクシングジム)へと向かう車内。

    先ほど目にした膨大な在庫、特に飲料などの薄利な商品群について、話が及びました。


    もりもとら
    もりもとら
    さっきの倉庫、すごかったですね。でも、飲料とかって利益率がかなり低いじゃないですか。それでも扱うメリットってあるんですか?

    ありますよ。一番大きいのは『対外的な信用』が積み上がることです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    信用、ですか?

    ええ。大手のメーカー品を大量に扱って、期日通りに支払う。この実績を作ると、メーカーとの「商流(仕入れルート)」が太くなるんです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど。実績が認められるわけですね

    そうすると、仕入れの「掛け率(仕入れ値)」が良くなったり、優先的に商品を回してもらえたりするようになります
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    それはデカい……! 利益率そのものが改善されるんですね

    それだけじゃありません。そういう取引実績は、帝国データバンクや東京商工リサーチといった信用調査会社の評点にも直結します
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど……! 評点が上がれば、銀行からの信用もさらに上がって、次の大きな融資やM&Aにも繋がるわけですね


    直後、ギリワン氏の携帯が鳴りました。

    取引先との電話のようです。


    (電話で)はい、お世話になっております。……ええ、その件ですが、こちらの希望としては……
    ギリワンさん
    ギリワンさん


    移動中も休むことなく、タフな交渉を続けるギリワン氏。

    目先の利益だけでなく、こうした日々の積み重ねが、40億企業を支える強固な「信用」を築いているのだと実感します。

    【PM 02:12 ジム視察】異業種M&Aの現場。「キックボクシングジム」の熱気

    そんな濃密な時間を過ごすうちに、車は目的地である商店街の一角に到着しました。

    ここからは、M&Aで取得した実店舗の視察です。

    キックボクシングジムと、信頼できる「右腕」

    ビルを見上げると、そこには「Act Kick」というキックボクシングジムの姿がありました。

    もりもとら
    もりもとら
    キックボクシングジム……? 物販の会社なのに、なぜジムなんですか?

    これも僕が経営している事業の一つですね。中に入ってみましょうか、ちょうど責任者がいるはずです
    ギリワンさん
    ギリワンさん


    ジムの外にいた、引き締まった体の男性に声をかけます。


    彼がここの運営を任せている、事業責任者のノナカさんです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    こんにちは。ノナカです。よろしくお願いします
    ノナカさん
    ノナカさん

    もりもとら
    もりもとら
    よろしくお願いします! ノナカさんは、どういう経緯でギリワン社長とご一緒することになったんですか?

    最初は知人の紹介で食事をご一緒したのがきっかけですね。そこから何度かお会いして、社長の考え方や人柄に惹かれていったんです
    ノナカさん
    ノナカさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど、最初は食事から。そこからどうやって「事業の話」に繋がっていったんですか?

    元々ここは僕が個人でやっていたジムだったんです。でも、もっと拡大したいと思った時に、社長の資金力と経営力をお借りしたくて。今年の4月に事業譲渡(M&A)して、グループ入りさせてもらった形ですね
    ノナカさん
    ノナカさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど、そういう経緯があったんですね。やっぱりビジネスを広げる上では、そういった「人との繋がり」が大事なんですね……!


    挨拶を済ませ、ジムの中へ。

    パンッ、パンッという小気味よいミット打ちの音が響き、熱気あふれる空間が広がっています。


    もりもとら
    もりもとら
    すごい活気ですね。トレーニングの内容はキックボクシングだけなんですか?

    メインはキックボクシングですが、それだけじゃないですよ。ストレッチや筋トレなど、会員さん個々の要望に合わせてメニューを組んでいます
    ノナカさん
    ノナカさん

    もりもとら
    もりもとら
    個別のメニューまで……! だからこんなに会員さんが楽しそうなんですね

    おかげさまで会員さんの満足度も高くて、継続率がすごく高いんですよ。彼は現場のプロですから、運営に関しては僕は口出しせず一任しています
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど。社長が信頼して任せているからこそ、現場も伸び伸びとやれているのが伝わってきます


    単なる「オーナーと雇われ店長」という関係を超えた、強固な信頼関係。

    それが、会員たちの笑顔や、ジム全体を包む熱気を生み出しているのだと強く感じました。

    小気味よいミット打ちの音を背に、一行は次なる視察先へと足を運びます。

    【PM 04:39 サロン視察】着いたのはドンキ。まさかの店舗仕入れ⁉

    続いて訪れたのは、まさかのMEGAドンキでした。

    もりもとら
    もりもとら
    ドン・キホーテに到着しましたね。まさか社長、今から「仕入れ」ですか?(笑)

    それは昔の話ですよ(笑)。実は、ここに入っているネイルサロンを運営しているんです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    そうなんですか! では早速お邪魔しましょう



    白を基調とした清潔感のある店内で、女性店長さんが笑顔で迎えてくれました。

    ここでも、現場の責任者と話を伺います。


    いらっしゃいませ。店長のKです
    ネイルサロン店長・Kさん
    ネイルサロン店長・Kさん

    もりもとら
    もりもとら
    こんにちは。店長さんは、ギリワン社長とお仕事をしてどれくらいになるんですか?

    今年の4月からなので、だいたい4ヶ月くらいですね(撮影時は2025年8月)
    ネイルサロン店長・Kさん
    ネイルサロン店長・Kさん

    もりもとら
    もりもとら
    4ヶ月! まだ始まったばかりですね。今のところお店の調子はどうですか?

    おかげさまで順調です。社長と一緒に集客方法や広告の打ち出し方を見直したことで、客足が以前より増えているんですよ
    ネイルサロン店長・Kさん
    ネイルサロン店長・Kさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど……! ただお金を出すだけじゃなくて、経営面でのサポートもしっかり入っているからこそ、短期間で成果が出ているんですね

    さて、じゃあ僕はちょっと店舗との打ち合わせに入りますね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    はい! いってらっしゃいませ


    しばらくして、打ち合わせを終えたギリワン氏が戻ってきました。


    お待たせしました
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    お疲れ様です!

    次はM&Aの商談に行くので、すみませんがまた移動します。
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    さすがに忙しいですね……! いよいよM&Aの現場ですか。向かいましょう!


    自らは「資金」と「環境」を用意することに徹し、現場の運営は信頼できるプロに任せる。

    ギリワン氏の多角化経営の裏側を垣間見たところで、一行はいよいよ本日のメインイベントとも言える「M&A交渉」の現場へと向かいます。

    【PM 05:32 商談へ】リスクヘッジと成長を両立する「物販×実店舗」の方程式

    ネイルサロンを後にし、一行はいよいよ本日最後の重要任務、M&Aの商談へと向かいます。

    車内で、ギリワン氏の「多角化経営」の真意について、さらに深掘りしていきます。

    もりもとら
    もりもとら
    今日は本当に分刻みですね……。改めてお聞きしたいんですが、物販でこれだけ成功しているのに、あえて「実店舗」を展開している理由って何なんですか?


    ギリワン氏は少し間を置いて、自身の経営哲学を語り始めました。



    一番の理由は、「人」ですね。やっぱり、良いご出会いを大切にしたいというのが根底にあります
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    さっきのノナカさんやKさんとの関係性を見ていても、それはすごく感じました。……ただ、経営的な「戦略」としての理由もあるんじゃないですか?

    鋭いですね(笑)。構造的な理由としては「キャッシュフローの安定」です
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    キャッシュフロー、ですか?

    物販って、規模が大きくなればなるほど在庫が増えて、手元のキャッシュ(現金)が厳しくなりがちなんです。一方で、ジムやサロンのような実店舗は、一度軌道に乗れば毎日安定して現金が入ってくる
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど。爆発力のある物販」と、安定感のある店舗」。この2つを持つことで、会社全体のお金のバランスを取っているわけですね

    そうです。物販のリスクヘッジとしての実店舗です。今後はもっと店舗事業を拡大して、そこで生まれたキャッシュでまた新しい会社を買収(M&A)したり、新店舗を出したり……というサイクルを回していきたいですね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    事業を展開しながら、会社全体のバランスを整えていく……。パズルのように組み合わさっているんですね

    M&Aのリアル。買収後の「磨き上げ」が勝負

    話している間に、車はM&Aの交渉が行われるオフィスビルに到着しました。

    じゃあ、行ってきます。ここからは相手先もあることなので、カメラは無しでお願いしますね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    承知しました! いってらっしゃいませ



    〜 1時間後 〜

    商談を終えたギリワン氏が戻ってきました。


    もりもとら
    もりもとら
    お疲れ様です! どうでしたか?

    感触は悪くないですね。ただ、従業員の引き継ぎ条件や、うちの既存店舗(ジムやネイルサロン)との相乗効果については、もう少し協議が必要かなといったところです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    なるほど。単体で見るのではなく、既存の事業とどう掛け合わせるかも重要なんですね。ちなみに、こういうM&Aの案件って普段どこから見つけてくるんですか?

    M&Aの専門サイトを見ることもありますが、やっぱり多いのは「知人からの紹介」ですね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    やっぱりここでも「人との繋がり」なんですね……! これからM&Aに挑戦したい初心者に、何かアドバイスはありますか?

    最初は個人事業主の方がやっているような、小規模な店舗案件から検討するのがいいと思います。ただ、注意点もあって
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    注意点?

    個人のお店だと、月別のPL(損益計算書)管理がどんぶり勘定になっていて、正確な利益が見えにくいことが多いんです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    確かに、個人だと家計と混ざっていたりしますもんね

    だからこそ、「現状」だけを見るんじゃなくて、買収した後にどう伸ばせるか」という将来の見通しを自分でしっかり持てる案件を買うことが大事ですね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    買うのがゴールじゃなくて、そこからがスタートですもんね

    はい。僕自身も、今後は1〜3店舗くらいの小規模な案件を中心に、しっかりデューデリジェンス(資産査定)をした上で慎重に進めていきたいと思っています。特定の業種に偏らず、色々な業態を持つことで、どんな変化にも耐えられる強い会社を作りたいですね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    めちゃくちゃ勉強になりました。ありがとうございます!


    緊張感のあるM&A商談を終え、これにて本日のハードなスケジュールは一段落。

    車に戻り、ピリッとした空気から解放されたリラックスムードの中で、最後のインタビューを行いました。

    【PM 07:00 会食へ】せどりから年商40億へ駆け上がる「融資と行動力」

    あたりはすっかり暗くなり、車は会食場所へと向かいます。

    仕事モードから少し解放された車内で、ギリワン氏の「原点」について話を伺いました。



    もりもとら
    もりもとら
    今日はお疲れ様でした! この後は会食とのことですが……さすがにお店の中まではカメラ入れないですよね?(笑)

    さすがにそれはごめんなさい(笑)。大事な取引先なので
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    いえいえ! では到着するまでの間、最後に少しだけお話を聞かせてください。今でこそ年商40億ですけど、最初は本当に「せどり」から始められたんですよね?

    そうですね。最初は本当に泥臭いことばかりやってましたよ
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    転機は「融資」。借金が成長のアクセルになった

    もりもとら
    もりもとら
    そこからどうやって今の規模まで跳ね上がったんですか? 何かきっかけが?

    やっぱり「きっかけは融資」でしたね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    下積み時代は5年くらいあって、当時は仕入れのために遠征もしまくってました。北は仙台、西は広島まで車で走ったこともありましたね。
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    仙台から広島まで!? 行動力おばけですね……

    車に荷物がパンパンになるまで仕入れて、ヤマト便で事務所に送って……みたいなことをずっとやってました。その終わり頃からメーカー卸も少し始めてたんですけど、やりたくても資金がなくて
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    そこでコロナ融資が来たわけですね

    そうです。融資という追い風と、巣ごもり需要という時流が重なって、メーカー卸に全振りしたら一気に事業が伸びました。最初はとにかくメーカーに電話をかけまくりましたね
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    失敗があったから、今の「堅実」がある

    もりもとら
    もりもとら
    順風満帆に見えますが、逆に心が折れそうになった失敗とかってありますか?

    ありますよ。法人1、2期目の頃かな。業者から中古本を大量に仕入れたんですけど、それが全然売れなくて。一時期、債務超過にまで陥りました
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    債務超過……! よくそこから復活できましたね

    当時はまだ金額がそこまで大きくなかったから、なんとか立て直せました。でも、今同じ失敗をしたら億単位の赤字になりますからね。あの時の失敗が、今の「リスクヘッジ」を重視する経営に生きてるんです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    失敗を糧にして、今の強固な財務体質があるんですね。そういった金融や財務の知識は、どうやって学ばれたんですか?

    机の上で勉強したというよりは、「実戦」ですね。金融機関の人と何度も話して、交渉して、時には失敗して……。そうやってリアルなやり取りの中で学びながら、行動してきたことが一番大きいです
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    やっぱりここでも「行動力」なんですね。動いて、ぶつかって、学ぶ。今日はギリワン社長の成功の根源に触れられた気がします。本当に貴重なお話をありがとうございました!

    そろそろ会食のお店に着きますね。今日は一日、ありがとうございました
    ギリワンさん
    ギリワンさん

    もりもとら
    もりもとら
    こちらこそ、貴重なお時間をありがとうございました! いってらっしゃいませ!

    【編集後記】「考えている暇があったら動け」。成功の本質

    「多聞(タモン)書店」という社名が物語るように、最初はフィギュアや本を扱う、個人レベルの「せどり」からのスタートでした。

    そこからコロナ禍という危機を好機と捉え、メーカー仕入れへと大胆に業態転換。

    過去の失敗を教訓に、スーパー経営で在庫リスクを消し、ジムやサロン運営でキャッシュフローを盤石にする。

    さらには倉庫の設備をあえてリースにして手元資金を守り抜く。

    一見すると複雑で緻密に見える多角化経営の根底にあったのは、「動きながら考え、考えながら動く」という、泥臭いまでの行動力でした。

    動きながら考えろ

    インタビューの最中に彼が放ったこの言葉こそが、不確実な時代を生き抜くための、最もシンプルで強力な答えなのかもしれません。

    今回の密着取材が、次なるステージを目指す全ての経営者、そして個人事業主の方々にとって、一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

    【2025年最新】稼げる物販手法はコレ!

    助手
    助手
    さっそく物販にトライしたいんですが、どんなやり方でやればいいのかわからなくて…
    そう言うと思っておすすめの手法と無料講座を用意しておいたじょ。
    博士
    博士
    助手
    助手
    博士、サイコーです!

    メーカー仕入れ

    博士
    博士
    メーカーから直接商品を仕入れて、ECサイトで販売する手法じゃ。
    初心者おすすめ度 ★★☆☆☆
    即金性 ★★☆☆☆
    ビジネス継続性 ★★★★★
    仕入れに必要な資金目安 50万円~
    目指せる利益額 100万円以上
    助手
    助手
    利益商品を半永久に仕入れ続けられるメーカー仕入れ。
    物流の最上流から仕入れることができるので、一般顧客が買えない金額や数量で商品の仕入れが可能になります!

    せどり・転売で物販に慣れてきて、物販を副業レベルでなく事業化させたい方におすすめです!

    メーカー仕入れの全体像や利益を出すまでの流れが体系的に学べます

    博士
    博士
    メーカー仕入れは物販の最上流じゃ。メーカーと独占的に契約ができれば他のセラーに邪魔されることなく利益商品を販売していくことができるんじゃ。ただある程度仕入れ資金も必要じゃぞ。

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