挨拶もそこそこに、ふと後ろを見ると、そこには大きな看板の店舗が。
実は、今日の待ち合わせ場所であるここ自体が、すでにギリワン氏の「城」でした。

これはうちが経営してるスーパーマーケットですね。事務所兼、店舗みたいな感じでやってます
えっ、普通にスーパーじゃないですか! これを経営してるんですか?
そうです。ちょうど今から、ここで銀行さんとの商談と社内MTGの予定が入っているんですよ。せっかくなので、事務所の中で少し様子を見ていきますか?
ギリワン氏に案内され、スーパーの店舗脇にあるバックヤードへと足を踏み入れます。
商品のダンボールが積まれた通路を抜けると、そこには予想外の光景が広がっていました。

えっ、すごい……! スーパーの裏に、こんなにしっかりしたオフィスがあるんですね。完全に予想外でした
活気あるスーパーの売り場とは対照的な、静かで整然とした事務所。 そこには、パリッとしたスーツ姿の金融機関の担当者が待っていました。
息つく暇もなく、そのまま重要な融資の商談がスタートします。

さっきまで和やかに話していたギリワン氏の表情が一変。 数億円規模のお金の話が飛び交う、真剣な交渉現場。
ビジネスの最前線特有の「熱気」と「プロの顔」がそこにはありました。
商談が終わると、そのまま間髪入れずに社内スタッフとのミーティングへ移行。
先ほどの銀行との交渉結果を踏まえ、直近の決算数値や資金の動きについて、冷静かつ的確な指示が飛び交います。

まさに「分刻み」。経営者のリアルな仕事ぶりを目の当たりにした瞬間でした。
スーパー経営をする本当の理由とは?
一連の打ち合わせが一段落すると、ギリワン氏はふっと息を吐き、柔らかな表情に戻ってこちらに向き直りました。
お待たせしました。ちょっとバタバタしちゃいましたね。よし、じゃあ店舗の方へ戻りましょうか
事務所を出て、再び商品の並ぶスーパーの売り場へと移動します。
先ほどの張り詰めた空気から一転、主婦や家族連れが買い物をする日常的な光景が広がります。
ふと店内のモニターや様子を見渡したもりもとら氏。
それにしても社長、事務所の雰囲気もそうですけど、ここ本当に『THE・スーパー』って感じですね。ネット物販の会社とは思えないです

そう見えますよね。でも実は、このスーパーこそが、僕の事業の『最大の弱点』を消してくれる場所なんですよ
ここを経営している最大の理由は、ネット物販で発生する『返品在庫の受け皿』にするためなんです
あー! なるほど! ネット物販につきものの『返品』や『不良在庫』ですね
そネットだと『箱潰れ』などは廃棄対象ですが、ここなら安く売って現金化できます。廃棄ロスを極限まで減らすための仕組みですね
なるほど……! ここなら『訳あり品』として現金化できるわけですね。赤字を垂れ流さないための鉄壁の守りだ
それともう一つ、銀行や取引先への『リアルな信用』を作るためでもあります
ネット専業は実態が見えにくいですが、店舗と人があれば『事業の実態』が証明できます。これが銀行からの信用に直結するんです
確かに! さっきの決算書の話もそうですが、この店舗があるからこそ、銀行との取引もスムーズにいくわけですね
単に「手広くやっている」のではなく、「返品リスクの回避」と「対外的な信用の獲得」。
本業(ネット物販)をより盤石にするための計算された戦略が、このスーパーには詰まっていました。
コメント